私は国際的な組織で働く上で随分と苦労をしてきた。
友人関係はともかく、職場ではなかなか日本のように友好関係を築けなかった。「これは語学ができないからだ」と思い、各種試験勉強にいそいそと邁進してきたが、文法や単語を覚えたから、試験で高得点を取ったからといって、突然話せるようになるわけではなかった。
今でも英語はそこまで得意なわけではないし、まだまだな部分が沢山あるが、会議での発言や日常的なコミュニケーションには、以前に比べると随分と問題がなくなってきたと思う。でもこれは勉強というより、細かいマインドの問題を意識したことによると思う。
どのような点に気を付ければ国際的な組織で通用する、自然な英語を話せるようになるのか、まだまだながら純ジャパの自分なりの考えをまとめてみたいと思う。
備忘録もかねて、個人的な意見をまとめます
はじめに:いわゆる「純ジャパ」でもできる
筆者は地方都市で生まれ育ち、普通に国内で大学受験・大学院進学をした、いわゆる純ジャパのバックグラウンドを持つ。
大学・大学院での留学経験はあるが、それは大人になってからの話であるため、いわゆる日本人らしい思考回路や立ち振る舞いを身に着け、育ってきたと自負している。
そんな自分でも、下記の3つを気を付けることで、国際的な組織で働く上で支障にならない自然なコミュニケーションができるようになるのでは・・・と感じている。
1.英語話者の立ち振る舞いを意識して真似しよう
これは「英語で考えて、英語で話す」ということを考える際に軽視されがちだが、意外と重要だと思うポイントである。日本語話者がよくお辞儀をしたり、目上の人に尊敬を示したりする特徴があるように、英語話者にも実はコミュニケーションにおける立ち振る舞いの特徴がある。
話しかける=礼儀正しいことと覚える
日本人は、会議で知らない人に会っても、自分なんかが話しかけることが失礼だと考えたりして、なかなか自分からネットワークをしない/できない人が多い気がする。(筆者が特に人見知りなだけかもしれないが・・・)
一方、英語話者は、「話しかける=相手に興味を持っている=いいこと(むしろ礼儀)」という思考回路を持っている人が多い。そのため、会議で初めて会った知らない人や自分よりはるかに偉い人にも臆することなく話しかけて話題を振ることができるし、そのためのスモールトークのネタもたくさん持っている。これは自分の上司などを見て、勉強になった点である。
相槌ではなく言葉で理解度を伝える
英語話者はほとんど相槌を打たない。首を縦に振らない。日本の相槌が首全体を動かすものだとすると、英語の相槌は小刻みに顎を揺らす程度(※個人調べ)。相手が話しているときはあまり反応せず、じーっと目を見て聞いて、話し終わった後に相手の言ったことのサマリーをしつつ、自分の意見を述べる。
もちろん頷きまくることやお辞儀をよくすることで、日本人らしい個性を出すことはできるが、これは英語をマスターしてからでもできる。「素敵だな」と思う同僚や上司の話し方を観察して、意識して真似てみることで、より英語らしい、流暢なコミュニケーションができるようになる。
2.とにかくアウトプット、知らない人と色んな話題で話そう
英語を話せるようになるためには、頭の中で妄想していても上手くいかない。
1にアウトプット、2にアウトプット、3,4,5にアウトプットである。
そしてこの「アウトプット」には、友人や決まった同僚との半径50センチくらいの事象についての会話や、スーパーやタクシーで行われる日常の超定型文は含まない。知らない人と、知らない話題について即時に議論や会話をする練習が必要なのだ。
これに慣れていくことで、会議やコーヒーチャットで突然話を振られたりしても、堂々と自分の考えを述べることができるようになる。
自分はオンライン英会話サービスを使ってアウトプットの機会を増やした。オンライン英会話では、25分自分の考えをスピーチする練習になるのでとても良い。私はDMM英会話を使用しているが、詳しくは下記の記事も参考にしてみてほしい。
3.ネガティブな言動は嫌われる。笑顔で相手をよく褒めよう
英語社会では、上司の愚痴・同僚の悪口を言うと自分の評価が下がる。
明るくシニカルにネタにできるのであれば話は別だが、不平不満を述べるだけでは、ただ場の空気を盛り下げるだけの、空気の読めない嫌なやつになってしまう。日本でよくある、愚痴大会の飲み会などはいままであまり遭遇したことがない。大人数が集まれば、楽しい話題で盛り上がることが常である。
また、目は口ほどにモノをいう、というが、どんな人にも笑顔でニコニコと接する方が、完ぺきなアメリカンイングリッシュのアクセントを話すことより、よっぽど重要である。会話する相手が「あなたと話してよかった!」と思ってくれるような、相手の気分を上げる褒め言葉を、会話の中にひとつ入れることをKPIとしてみることをお勧めする。
おわりに:自分らしさを大切に、無理せずやってみよう
ここまで「自然な英語」を話す上で必要なマインドセットについて自分なりにいろいろ書いてみたが、英語話者で評価されるのは明らかにExtrovert (外交的)寄りの人物であり、筆者のようなIntrovert(内向的)な人間には、少々ギャップが大きい。なので、自分と正反対のことを無理していますぐやってみる必要はないと思う。
ただ、英語話者の新しい人格を作るつもりで、少々異なるマインドセットを持って、できる範囲で振舞ってみると、国際的なコミュニティに溶け込むことができ、意外と自分も楽になる気がする。
言語とは文化に依存したコミュニケーションの手段なのだと日々感じる。その文化を学んで、慣れ親しんでみることで、英語を使いこなすレベルが今よりも一段階上がるのではないかと思う。自分もまだまだであるが、上記で書いたようなことを意識して継続していきたい。英語でのコミュニケーションに悩んでいる、誰かのなにかしらの参考になれば、幸いである。
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