2021年のYPP募集説明会に複数回参加したので、この記事に応募要件・書類作成の注意事項などのエッセンスをまとめておく。誰かの何かしらの参考になれば幸いである。
はじめに:YPPとは?
- 世界銀行グループのYPPは、世界銀行グループの未来のリーダーを養成するためのフラグシッププロジェクトである。
- 世界銀行の幹部にはYPP出身の人が多い
- ただし、YPP出身だからといって、その他の方法で入行した人と比べて昇進が早いとか、そういうことでは特にないらしい
応募要件
年齢
- 1989年10月以降に生まれた、32歳以下の人(2021年度の場合)
実務経験
世界銀行の場合
- PhDであれば、実務経験はなくていい。YPPは膨大な数の応募者がいるため、PhDであれば、一流の大学院出身で、学術論文をいくつもジャーナルで発表していたり、計量分析のスペシャリストであったりする必要がある。
- 修士号の場合3+年。ユニークな実務経験を持ち、他社と差別化できることが必要。つぶしがきくけど、自分の専門性がはっきりしないキャリア経験を持っている人には向かない。
IFCの場合
- 修士号の場合4+年の就労経験。Investment and upstreamに適したプロファイルが求められる。途上国での勤務は評価される(Experience in Emerging market is definitely a plus)
- ※MIGAとIFCは6月と8月、2回応募の機会があるが、世界銀行グループのYPPプログラムには、年に一度しか応募できない。つまり、6月と8月両方でMIGA/IFCに出すことや、6月に世界銀行に出し、8月にMIGA/IFCに出す、ということはできない。
- ※アプリケーションは届くたびにスクリーニングを行っている。IFC/MIGAは9月の第二回目応募締切まで、連絡は来ることは無い
WB内部トラック
- WB Consultants (both extended and short term)もYPPに応募できる
- YPPに出願しながらその他のWBGポストに応募することは可能
- 何年も続けて応募することは不利にならない
- YPはインターン経験者に対して、ファストトラックのプログラムがある。ただし、ダイバーシティを重視しているので、必ずしもインターンを経験しないといけないわけではない
応募書類の書き方
CV
- CVのサマリーは4-5行にとどめる
- 経験はスターモデルとAction Verbsを用いて記載する。
- T-shaped talentと呼ばれるテクニカルな専門性が重要。加えて、他のセクターでも転用できるスキルやリーダーシップの要素もYPには必要
- 自分のバックグラウンドが最もマッチするユニット2つに応募し、そのバックグラウンドの経験について詳細に記載すること。世界銀行の場合、数多くのユニットにマッチするバックグラウンドは専門性がないと見なされる。IFCは(戦略コンサルなどでは広範なセクターをカバーしているので)この限りではない。
- 世界銀行グループや採用ユニットのホームページや出版物をよく読み、キーワードを自分の経験にカスタマイズする
- Weではなく、Iで語る(チームではなく、自分がその組織やポジションで何を成し遂げたか)
- カバーレターはエッセイの提出と内容が被るので不要
エッセイ
- 応募する各機関を想定する。入行するチームまで想定して書く必要はない
- 自分の経験とスキルを使って世界銀行でどのように貢献できるか説明する
リファレンス
- リファレンスレターは、自分のスキルやコンピテンシーをよく知る人に書いてもらうこと。ハイランクのオフィシャルで、全然自分のこと知らない人はダメ
その他TIPS
- 世界銀行のホームページでは、面接準備のためのガイドブック、CV作成の手引きを用意しているので、よく読むことをお勧めする
応募に向けた準備・採用関連資料
応募に向けた準備・採用関連資料
応募倍率(2020年)
世界銀行
- IBRD: 8,145 application > 2,915 review > 156 interview > 39 YP
IFC
- IFC:毎年平均して10名から15名のYPを採用。2020年は11名。
日本人の応募
- 日本人の応募を推進している。IBRDでは、2020年は29名の日本人が応募し、1名が合格。IFCでは、日本人のYPは総計27名(昨年の合格者は不明)。
おわりに:YPとして合格するために
- ネットワーク・言語能力・プロアクティブに情報を取りに行く姿勢・開発への情熱がYPとして選ばれるためには必要
- IFCは民間企業のマインドセットが求められる
- 世界銀行の場合、超優秀なPhD保有者、もしくは現場で数年間オペレーション経験を積んだスペシャリストが採用されている傾向にある
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